2023.10.20 時代はアダルトオリエンテッドスーツ=AOS CUSTOMER

久しぶりになりましたが、今回も思うところを書かせていただきます。

まず、来年はジェントリーをオープンさせていただいてから、20年になります。これまで続けてこられたのも、皆さまのおかげです。ご愛顧いただきありがとうございます。20年前から一貫して、ジェントリーはヴィンテージ生地のオーダースーツをご提供してきました。これは日本では初めてであると自負しております。

 

しかし当時は少なかったヴィンテージ生地のオーダースーツも、今ではちらほらと見かけるようになりました。ヴィンテージブーム、レトロブームがあり、ブームから一般的にもなってきました。やっと時代が追い付いてくれたか(笑)と、いろいろな場面で思わされます。

ただ、オーダースーツを含むスーツにも流行がありますが、いろいろな意味で本物の良さがわかる人が増えてほしいと、切に願っています。本物とは何か、を書き出すとキリがありませんが本物の職人の素晴しさが失われないか、非常に危機感を抱いています。その辺りは以前の投稿もぜひご覧くださいませ。

スーツ業界について言えば、もう少し自由さがあってもいいのではないか、着る楽しさがあってもいいのではないかと考えています。例えば色合わせ。「このスーツにはどんな色のネクタイを合わせようか、どんな靴を合わせようか」と、悩まれる方が多いように思います。もちろん場面に合わせた最低限のマナーは必要です。ただ誤解のないように言えば、正直そこまで見る人は気にしていないのでは、と思うのです。道行く人のネクタイの色や靴の色、スーツの色を覚えているでしょうか。

 

着こなしの正解は決して一つではありません。自分が着たいと思うものであることが一番ではないでしょうか。特に現在は、着こなしも自由度が格段に上がりました。だからこそ、周りの目を気にしすぎることなく、スーツを楽しんでほしいと思います。正解を求めることが最初ではなく、どんなスーツが着たいのか、その考えを始めに持ってチャレンジすることで、自分の好みがわかってくると思います。

休みの日にスーツを普段着で着る、これってすごくかっこいいと私は思います。俗にいう浪漫があるというか、大人の粋を感じます。もちろん最初は照れることもあるかもしれません。でも大人の男性にしか楽しめない特権だと思っています。

 

ところで皆さんは「AOR」という音楽のジャンルをご存知でしょうか。アダルトオリエンテッドロックの略称です。すごく簡単に言えば大人向けのロックミュージックなのですが、当店のヴィンテージスーツもこれに近いと感じています。アダルトオリエンテッドスーツ=AOS。ヴィンテージスーツを日本で初めて作り出した、当店のスーツをそう呼びたいと思います。大人の男性の特権であり、メロウで粋なスーツなのです。

 

次回はアダルトオリエンテッドスーツについてお話をさせていただきます。